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若者
2014.06.11 Wednesday - comments(0)
去年のこと。冬のケルンはどこのホテルもいっぱいで、予算内で一つだけ見つけたのがバックパッカー宿のシングルルームだった。この宿は過去に何度も泊まったことがあって、ドミトリーではお金を盗まれたりもした。あれから年を重ねて、もうドミトリーは卒業した。

チェックインにはまだ早すぎたので、ロビーでひと休みをしようとしたら、強烈な視線を感じる。おもむろに「日本人ですか?」と聞いてきたので「あ、はい」と答えると、「僕、日本人に会いたかったんです!ほら、ちょうど今日記を書いてたんすよ!」と見せてくれた彼のノートには、「日本人に会いたい」というようなことが確かに書いてあった。長く旅をしているとそういう気持ちになるのはわからないでもない。

彼はとても人なつっこくて、その後私の好きなルードヴィッヒ美術館、ゲルゼンキルヘンでの内田選手の練習、ニュルンベルクでの練習、そして長谷部選手の試合にもずっと付いてきた。今どき珍しくインターネットをやっていない若者だったので、その都度ホテルや電車の予約、観戦チケットの手配など、すべてやってあげたのだった。これが私のいいところであり、悪いところでもある。

その後のヨーロッパでの滞在もノープランということで、マーブル旅行社のスペシャルプランを提示した。ニュルンベルクからバスでプラハへ。駅前のこの安宿に泊まって、必ず昼と夜のカレル橋を渡るべし!それからアムステルダムまでバスで移動、オランダから電車でブリュッセル。お金がないならユーロスターでロンドンなんて贅沢極まりない!バスだ!バスでゆけ!と、ひととおりのプランを紙に書いて渡した。

旅先の滞在時間は1秒だって無駄にしたくなかったが、「途方に暮れた日本人」を目の前にして、世話を焼いてしまった。彼はとてもちびに似ていた。年齢も背格好も、時々見せる表情も、本当によく似ていて、自然とお母さん魂が働いてしまった。ニュルンベルクでは、チェコ語の簡単なあいさつをメモした紙を渡してさよならした。


その彼に、旅先からベタな絵はがきを送るという楽しみ方を教えた。

(1)ハガキを買う(なるべくベタなものがよい)
(2)宛先は日本語でOK
(3)赤字でAIR MAILと書く
(4)TO JAPANと明記する
(5)郵便局に行く(世界中の郵便局を観察するのもおもしろい)

(1)は書かなくていい!というのに、私が話すことを丁寧にメモしていた。そして、約束通りプラハからベタな絵はがきを送ってきてくれた。私もあれから旅に出ると、彼にハガキを送っている。いつも自分に宛てて送っているので、ハガキを送る相手ができて私もうれしい。

昨日、久しぶりに若者から電話があった。ヒマを持て余しているらしい。実にもったいない。香取市に住む彼に、鹿嶋市で求人しているお店を紹介すると「じゃあ、明日にでも行ってみます!」とあっさり言う。

彼のすごいところは、それが社交辞令で終わらなかったところだ。紹介したお店に今日本当に行ったということは、お店のオーナーさんから聞いた。おいしいハンバーグとパスタのお店で、ずっと店内には「急募」の張り紙がしてあったのだ。私も鹿嶋に行くと、必ず立ち寄るお店なので、そこで若者が働いてくれたら私もうれしい。

私はやりたいことがいっぱいありすぎて、今日も時間が足りない。
若者がヒマを持て余すなんてもったいない。
ブラジルから帰ったら、鹿嶋で再会することになった。
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