2013.01.04 Friday - comments(0)
ずぶ濡れのままホテルに戻り、トランクを受け取ってすぐタクシーに乗った。もうケチったりしない。運転手のおじさんは、私がこれからロンドンに行くことを知って、「このエレベーターで上に行きなさい」と、マンチェスター・ピカデリー駅のベストな場所で降ろしてくれた。
駅構内の自販機でロンドン行きの切符を買った。終電よりも1本早い電車に乗り、ホッとして焼きたてのパニーニをかじっていると「そこ私の席なんだけど」と、指定券を持った人がやってきて席を譲ることになった。自販機では指定券が買えなかったので、自由席に座っていたのだが、その席も指定券を持った人が当然座る権利がある。1等車以外の車両を転々としたところで、どこも超満員だった。
そんなふうにして、ロンドン行きの満員列車の連結部分には、半ば追い出されてしまった日本人がたまっていた。本当に、日本人ばかり!しかも、雨に打たれて具合が悪そうな人ばかり。こんなことなら長蛇の列に並んででも、窓口で指定券を買えばよかった。それに、もしかしたら自販機でも指定席を買う方法があったのかもしれない。とにかく、空席が出なければ2時間半は立ったままだ。(後から調べたところ、前日の18:00までに窓口で指定券を買うのがベストだと知った。)
赤いユニフォームを脱ぐタイミングを逃して、そのまま乗車していた。隣りのお兄さん二人は白いアウェイユニフォーム。前にいる男の子はファン・ペルシのユニフォーム。ロンドンに帰るQPRサポーターに鼻で笑われても、こちらの方が仲間が多いのだ。
お兄さんたちは、スーパーで買った缶入りのウイスキーを次々と空けていき、酔ってずっと冗談を言い合っている。彼らはシーズンチケット持っていたので、試合ごとにこうして二人で小さな旅をしているのだろう。せっかくウイスキーを勧めてくれたのに、飲めないからと断った私はダサすぎた。私のユニフォームが26番だと知ると、「今日は残念だったね、シンジはいい選手だよ」と声をかけてくれた。そして、シュンスケ・ナカムラ、シンジ・オノもいい選手だと続けた。彼らは背番号なし。「まったくつまんないヤツだよ!」「オマエもな!」と言い合ってまた大笑いしている。白のアウェイユニフォームを選ぶあたり、ちょっと変わった二人なのかもしれない。ゴールキーパーの「DE GEA」の正しい発音を何度も繰り返してゲラゲラ笑い合っている。日本語では「デヘア」と三文字の発音だが、「ヘ」の発音が喉にひっかかるように言うらしい。おじさんが痰を吐くときの「カーッ!」というあれだ。「オマエもやってみろ!」と言われて、3人でしばらく「DE GEA」を繰り返していた。変なの。「デ・ヘアはオランダ人?ドイツ人?」と聞いたら、スペイン人だった。
彼らはユナイテッドのいろんなことを教えてくれた。「今日の3ゴールは、チチャリートとあと二人誰だった?」と聞くと、「フレッチャーとエヴァンスだ!」と即答。プログラムに載っているレジェンドたちについて解説してくれたり、私がスタジアムで撮った写真を興奮しながら一緒に見たりした。彼らの言ってることは半分もわからなかったけど、笑い合ってぐだぐだやっていると時間が早く過ぎていった。ロンドンに到着する少し前、「また来いよ、今度こそカガワを見に!」と言う二人と握手。さよならした。結局、座れたのは到着までの30分ほどだった!
ロンドン・ユーストン駅に到着したのは22:00過ぎで、駅のそばに予約していたホテルに到着するまで結局ユニフォームは着たままだった。試合に負けていたら、すぐに脱いだのだろう。トイレもシャワーも共同の安宿は、床がだいぶ傾いていた。シャワーを浴びて薬を飲んだ。今、風邪をひくわけにはいかないのだ。明日はチェルシーのホームスタジアム、スタンフォード・ブリッジでチェルシー対マンチェスター・シティを見る。