菅野美術館で教えていただいた「ふれあいエスプ塩竈」に立ち寄った。ここは市が運営する遊びの施設らしい。いわゆる児童館というべきか。駐車場のある裏の入り口から入ると、エプロンをした職員さんらしきおじさんがちょうど正面に立っていた。「塩竃の人じゃなくてもこの中を見てもいいですか?」と聞いたら、簡単に施設について説明してくれて「ゆっくり見ていって」と言ってくれた。空間の周囲をなだらかなスロープがぐるりと取り囲んでいる。光がいっぱいに差し込む素敵な建築。
図書館、体育館、工作室、会議室、コンピュータの利用、ピアノをはじめとした楽器、塩竃市のあらゆる情報が集まっていて、あちこち探索して歩く度におじさんと遭遇した。おじさんはその都度、「この部屋はね」といって、丁寧にお話ししてくれた。空中庭園は、夏になると水の庭園になるとか。塩竃出身の写真家、平間至さんが寄贈したツリーハウスもある!
工作室の前に、巨大なダンボールのガンダムが!子どもが作ったにしては完璧すぎる。感心していると、またどこからかおじさんがやってきて、塩竃市の高校生が毎年作るものだと教えてくれた。なんとこのガンダム、市内に何体もあるらしい。ダンボール工作の先生がいて、生徒と一緒に作るのだとか。
「グランドピアノもあるよ、弾いてもいいよ」とおじさん。
他にもいろいろな楽器があって、防音室で練習もできるらしい。塩竃の子はいいなあと思った。
工作室にはいつも先生がいて、いろいろな道具が揃っている。
わたしも子どもたちにまじって工作やりたかった。
こんな会議室も自由に利用できる。
打ち合わせといえばファミレスが定番のわたしにはうらやましすぎる環境。
なぜにまぐろ?と思ったら、塩竃港はまぐろの水揚げ量が日本一だとあとから知った。夏には港で盛大なお祭りがあるらしい。
塩竃市出身の漫画家、長井勝一さんの美術館も併設されていた。「月刊漫画ガロ」の初代編集長だった長井勝一さんの美術館には、大御所漫画家の原画もたくさん展示されていて、水木しげる先生の原画にこんなところで出会えるとは!!と、時間を忘れて見入ってしまった。
施設を案内してくれたおじさんとはもっとゆっくり話したかった。東京から来たこと、よくふらふらと旅に出ることを話すと、おじさんは自慢のキャンピングカーの話しをしてくれた。よく奥さんとの二人旅に出るのだとか。去年は久米島に行ったというので、しばし沖縄話をした。おじさんにちゃんとさよならを言わずにここをあとにしたのがなんだか心残りだった。